MT5トレンド系インジケーターとは?全13種類の特徴と使い方を分かりやすく解説

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  • 「MT5のトレンド系インジケーターは何があるの?」
  • 「それぞれどんな特徴があるのか知りたい」

そんな疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
MT5(MetaTrader 5)には、相場の方向性や強さを判断するための「トレンド系インジケーター」が13種類も標準搭載されています。
しかし、種類が多すぎて何をどう使えばいいのか迷ってしまう人も多いはず。この記事では、MT5に搭載されたトレンド系インジケーターの特徴と使い方を初心者にも分かりやすく解説します。

おすすめの組み合わせ例や注意点も紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

目次

MT5トレンド系インジケーターとは?

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MT5に搭載されたトレンド系インジケーターの特徴や使い方を紹介する記事の見出し画像です。

トレンド系インジケーターの定義と役割

トレンド系インジケーターは、相場の「方向性」を把握するために使います。役割としては、価格の動きに一定のルール(平均値や変動幅など)を加え、過去から現在までの傾向を視覚化することです。たとえば、パラボリックSARは、トレンドの転換点を示すことで「今は買いの流れか、それとも売りか?」という判断をサポートしてくれます。これにより、トレーダーは感覚や勘に頼らず、客観的にエントリーやエグジットの判断ができるようになります。トレンドに沿った取引をすることで、勝率を高めることができるのがトレンド系インジケーターの強みです。


なぜトレンド分析が重要か?

FXや株などの相場では、「トレンドに逆らうな」という格言があるほど、トレンドを読むことは重要です。上昇トレンドでは買い、下降トレンドでは売りというように、流れに沿った取引をすることで成功率が高まります。

また、相場で安定して勝ち続けるために欠かせないのが「トレンドフォロー」という考え方です。これは、相場の流れ(=トレンド)に沿ってエントリーする手法で、多くのプロトレーダーも実践しています。上昇トレンドなら買い、下降トレンドなら売りというシンプルな戦略ですが、実はこの「流れに乗る」ことこそが最も効率的でリスクの少ない方法です。

トレンド系インジケーターを使えば、現在の相場の流れが一目で分かるようになり、無駄なエントリーを減らすことにもつながります。

オシレーター系との違い

トレンド系インジケーターが「相場の方向性」を見るのに対し、オシレーター系インジケーターは「相場の勢い」や「買われすぎ・売られすぎ」を判断するのが目的です。たとえば、RSIやストキャスティクスといったオシレーター系は、相場が上昇トレンドであっても「買われすぎのサイン」が出れば調整が入る可能性を教えてくれます。一方、トレンド系インジケーターは「今どっちに向かっているか」に焦点を当てるため、方向の把握に向いています。

トレーダーによっては、トレンド系とオシレーター系を組み合わせて使い、タイミングと方向を両方から判断していくやり方もあります。

MT5に搭載されているトレンド系インジケーター一覧【全13種類】

MT5に搭載されているトレンド系インジケーター一覧の見出し画像
MT5に標準搭載されているトレンド系インジケーター13種類の一覧を紹介する記事の見出し画像です。

これから紹介するMT5トレンド系インジケーターは、PC版で挿入→トレンド系から挿入する事ができます。

① Adaptive Moving Average(アダプティブ移動平均)

項目内容
名称Adaptive Moving Average(AMA)
特徴相場の変動に応じて感度が自動調整される移動平均線。トレンド時は反応が早く、レンジでは滑らかに表示される。
主な用途トレンドの方向性や転換点の確認。順張りエントリーの補助に有効。
主な使い方他の移動平均線とのクロス、価格との位置関係でトレンドの発生・継続を判断。

Adaptive Moving Averageは、相場の変化に応じて感度が自動調整される移動平均線です。トレンドが強い場面では反応が速くなり、レンジ相場では滑らかに動くという特徴があります。従来の単純移動平均や指数移動平均では、一定の期間で平均を取るため相場の動きに対して「鈍い」ケースがありましたが、AMAはそれを補う存在として活用されています。特にトレンドの発生や終了の判断をよりスムーズに行いたいトレーダーにとって、有効な選択肢となります。初心者にも扱いやすく、視覚的にも分かりやすいのがポイントです。


② Average Directional Movement Index(ADX)

項目内容
名称Average Directional Movement Index(ADX)
特徴トレンドの強さを数値で示すインジケーター
主な用途トレンド相場かレンジ相場かの判断
主な使い方ADXの数値と+DI・−DIの関係性でトレンドの勢いと方向を判断

ADX(Average Directional Movement Index)は、相場に「どれくらいのトレンドの強さがあるか」を測定するための指標です。+DIと-DIという2本のラインと一緒に使われることが多く、これらのクロスで売買タイミングを測ることもできます。ADX自体はトレンドの「方向」ではなく「強さ」を示すため、上昇・下降どちらのトレンドでも数値が高ければ「強いトレンドが出ている」と判断できます。逆に20以下の数値は「方向感がない=レンジ相場」である可能性が高く、トレンドフォロー手法の見送り判断にも役立ちます。単独でも有用ですが、移動平均や一目均衡表と組み合わせるとより効果的です。


③ Average Directional Movement Index Wilder(ADX Wilder)

項目内容
名称Average Directional Movement Index Wilder
特徴ADXのオリジナル計算式を使ったバージョン
主な用途トレンドの強さの確認
主な使い方ADXと同様に数値と+DI・−DIの位置関係でトレンドを判断

ADX Wilderは、ADXを開発したJ. Welles Wilder氏のオリジナル計算式に基づいたインジケーターです。MT5には通常のADXとこのWilderバージョンが搭載されており、主に平滑化の方法が異なります。基本的な見方や使い方は通常のADXと同じで、トレンドの「強さ」を数値で測定します。Wilder版は、よりスムーズな動きをするため、急激な変動が少なく「だまし」が軽減されやすい傾向があります。どちらを使うかは好みによりますが、Wilderの方がよりオリジナルに忠実で、長期的な分析に向いているとされます。

④ Bollinger Bands(ボリンジャーバンド)

項目内容
名称Bollinger Bands(ボリンジャーバンド)
特徴移動平均と標準偏差で構成されたバンドで価格の変動幅を示す
主な用途トレンド継続の確認、ブレイクアウトの兆しを掴む
主な使い方±2σを価格が抜けたら順張り、バンド反転では逆張り

ボリンジャーバンドは、価格の平均値(移動平均線)とその上下に設定される標準偏差ラインで構成されるインジケーターです。バンド幅が広がるとボラティリティ(価格変動の大きさ)が高く、縮まると静かな相場を示します。価格が±2σを超えると「行き過ぎ」と判断されることが多く、順張り・逆張りの両方に使えるのが特徴です。トレンドフォローとしては、価格がバンドをブレイクして広がる方向へ継続する動きに乗ることが効果的です。また、スクイーズ(バンドが収縮)からのブレイクは、新たなトレンドの始まりを示すシグナルとしてよく活用されます。


⑤ Double Exponential Moving Average(二重指数移動平均)

項目内容
名称Double Exponential Moving Average(DEMA)
特徴EMAのラグ(遅れ)を減らした滑らかで反応の早い移動平均
主な用途トレンド方向の早期認識
主な使い方価格との位置関係や他の移動平均とのクロスで使用

Double Exponential Moving Average(DEMA)は、通常の指数平滑移動平均(EMA)よりも滑らかで反応速度が速い移動平均線です。従来のEMAでは遅れてトレンドに反応することが課題でしたが、DEMAは2つのEMAを組み合わせた計算式により、より敏感に価格変動を捉えます。その結果、トレンドの始まりや終わりをより早くキャッチできるため、短期トレードやスキャルピングとの相性も良好です。価格の追従性が高いため、ダマしに注意しつつ、移動平均線のクロス戦略や押し目・戻り目の判断に活用されます。


⑥ Envelopes(エンベロープ)

項目内容
名称Envelopes(エンベロープ)
特徴移動平均線を上下に一定比率でオフセットした2本のラインで構成される
主な用途価格の乖離や反転タイミングの判断
主な使い方バンドの外に出た価格が内側へ戻るタイミングを逆張り狙いで活用

Envelopes(エンベロープ)は、移動平均線を基準に、上下に一定のパーセンテージ幅を加えたラインを表示するインジケーターです。ボリンジャーバンドと似ていますが、バンドの幅がボラティリティではなく「固定された比率」で決まるのが特徴です。たとえば、移動平均線から上下1%の幅にバンドを設定すれば、価格がその範囲を超えた際に「行き過ぎ」として判断できます。トレンドフォローの場面では、バンドを抜けた方向へのブレイクが強いシグナルになることがあり、逆張りではバンド内への戻りを狙う判断にも使われます。

⑦ Fractal Adaptive Moving Average(フラクタルアダプティブ移動平均)

項目内容
名称Fractal Adaptive Moving Average(FRAMA)
特徴フラクタル理論を元にした、相場環境に応じて滑らかさが変化する移動平均
主な用途トレンドとノイズの両方に対応した分析
主な使い方価格との位置や傾きの変化で判断

Fractal Adaptive Moving Average(FRAMA)は、価格のフラクタル構造をもとに変化に適応する高度な移動平均線です。相場の動きが穏やかなときは滑らかに、急激な変動があるときは素早く反応するという2面性を持ち、レンジ相場とトレンド相場の両方に対応できるのが強みです。特にノイズの多い相場では、無駄なシグナルを減らしてくれるため、精度の高いトレンド分析が可能になります。基本的にはトレンドの方向確認やクロスによるエントリー判断に活用され、他のMA系インジケーターと比較して反応性と安定性のバランスが優れているのが特徴です。


⑧ Ichimoku Kinko Hyo(一目均衡表)

項目内容
名称Ichimoku Kinko Hyo(一目均衡表)
特徴5つの線で相場の方向・強さ・タイミングを総合的に判断できる
主な用途トレンド判断、サポート・レジスタンス分析
主な使い方雲の上か下か、各線のクロス、遅行スパンの位置で判断

Ichimoku Kinko Hyo(いちもくきんこうひょう)は、日本発祥の多機能インジケーターで、5本のラインから構成されます。相場の「方向性」「強さ」「タイミング」を同時に把握できるため、世界中で高い人気があります。雲(=先行スパン1と2の間の領域)によって相場の抵抗帯を視覚的に確認でき、価格が雲の上にあるときは上昇トレンド、下にあるときは下降トレンドと判断されます。また、遅行スパンや転換線・基準線のクロスをエントリーのシグナルとして使う手法も一般的です。MT5にも標準搭載されており、複数の要素を一度に見たい方にとって非常に有用です。


⑨ Moving Average(移動平均線)

項目内容
名称Moving Average(移動平均)
特徴一定期間の価格平均を線で表し、トレンド方向を視覚化
主な用途トレンドの発生・終了の判断
主な使い方短期・長期MAのクロス、傾き、価格との乖離で確認

Moving Average(MA)は、最も基本的かつ広く使われているトレンド系インジケーターです。過去の一定期間の価格の平均を線で結んだもので、相場の方向性を視覚的にとらえることができます。短期(例:20期間)・中期(50期間)・長期(200期間)と複数のMAを組み合わせることで、トレンドの発生や転換点をより明確に判断することができます。例えば、短期MAが長期MAを上抜けすれば「ゴールデンクロス」となり、買いのシグナルとされることが多いです。MT5では単純移動平均(SMA)や指数移動平均(EMA)なども選べるため、スタイルに応じて使い分けが可能です。

⑩ Parabolic SAR(パラボリックSAR)

項目内容
名称Parabolic SAR(パラボリックSAR)
特徴ドット状で表示されるトレンドの転換を示すインジケーター
主な用途トレンド継続・終了の確認、損切り・利確ポイントの目安
主な使い方ドットの位置(価格の上か下か)でトレンドの方向を判断

Parabolic SAR(パラボリック・エスエーアール)は、トレンドの転換点を視覚的に示すインジケーターです。価格チャート上にドット(点)として表示され、現在のトレンドが続いているか、反転したかを判断するのに役立ちます。価格の下にドットが表示されていれば上昇トレンド、上にあれば下降トレンドと解釈されます。特に「反転した瞬間」のドット出現はエントリーや利確のタイミングとして使われることが多く、初心者にも扱いやすい設計です。ただし、レンジ相場では騙しが多くなる傾向があるため、他のトレンド系インジケーターとの併用が推奨されます。


⑪ Standard Deviation(標準偏差)

項目内容
名称Standard Deviation(標準偏差)
特徴ボラティリティ(価格の変動幅)を数値で示すインジケーター
主な用途トレンドの強さや相場の活発度を測る
主な使い方値が高ければトレンド発生中、低ければレンジの可能性

Standard Deviationは、価格の変動の大きさ(ボラティリティ)を数値で示すインジケーターです。単独でトレンド方向を示すわけではありませんが、相場の勢いを測る補助指標としてトレンド系に分類されます。値が大きいほど価格が大きく動いている(トレンドが強い)状態を示し、値が小さい場合は相場が落ち着いているかレンジ相場である可能性があります。ボリンジャーバンドの計算にも使われており、トレンドフォロー戦略において「今は勢いがあるか?」を判断する材料になります。価格の方向性と合わせて活用することで、トレンド判断の精度を高めることが可能です。


⑫ Triple Exponential Moving Average(3重指数移動平均)

項目内容
名称Triple Exponential Moving Average(TEMA)
特徴3つのEMAを用いて遅れを最小限にした、より敏感な移動平均
主な用途素早いトレンド把握、ノイズの少ないシグナルの取得
主な使い方他の移動平均とのクロスや傾きでトレンド方向を分析

Triple Exponential Moving Average(TEMA)は、3つの指数移動平均(EMA)を組み合わせて滑らかさと反応速度を両立させた高度な移動平均線です。単純なEMAよりも遅れが少なく、相場の動きに素早く反応するのが特徴です。トレンド発生時には価格に追従して早くシグナルを出しやすく、逆にレンジ相場では滑らかなラインが維持されるためノイズが減ります。TEMAはクロス戦略や押し目判断にも使われ、特に短中期トレードでのトレンド判断に向いています。移動平均を進化させた形とも言えるインジケーターで、より精度の高い分析を求める中級者以上にもおすすめです。


⑬ Variable Index Dynamic Average(可変指数動的平均)

項目内容
名称Variable Index Dynamic Average(VIDYA)
特徴ボラティリティに応じて滑らかさが自動で変わる移動平均
主な用途トレンド・レンジ両方に対応しやすい動的な移動平均
主な使い方他のMAとのクロスや傾き変化によりトレンドを判断

Variable Index Dynamic Average(VIDYA)は、ボラティリティに応じて感度を自動的に変化させる移動平均インジケーターです。相場の変動が激しいときには反応が早く、落ち着いているときにはなめらかに動くため、トレンドとレンジの両方に適応しやすいのが特徴です。基本は移動平均系と同じくトレンドの方向確認に使いますが、VIDYAはその可変性のおかげで、騙しを減らしながらもエントリーのタイミングを逃しにくくなります。裁量トレードで「もう少し反応が早ければ…」「でもノイズは減らしたい」という悩みを抱える方にとって、非常に使いやすいインジケーターです。

MT5トレンドインジケーターを使いこなすコツ

トレンド系インジケーターを使って利益を安定させるには、ただ表示するだけでなく「どう使うか」が重要です。ここでは、初心者でもすぐに実践できる2つのコツを紹介します。難しい設定や複雑な手法は不要なので、まずは基本をしっかり押さえましょう。

多くのトレーダーが使っているものを使う(大衆心理)

トレードでは「他の人がどこで買って、どこで売るのか?」を考える視点が非常に大切です。相場は大衆の心理と行動で動いており、多くのトレーダーが意識しているラインや指標には、自然と注文が集まりやすくなります。
そのため、自分だけが使っているようなマニアックなインジケーターよりも、誰もが見ている定番のインジケーターを使った方が、値動きに反応しやすくなります。

特に、移動平均線(MA)、ボリンジャーバンド、一目均衡表は、プロ・初心者問わず幅広い層が利用しているため、サポート・レジスタンスラインやトレンド転換の目安として機能しやすいのでおすすめです。「みんなが注目している場所」で反応を狙うという、大衆心理に乗った戦略が大切です。


数値やパラメーターはなるべく変えずに一貫性をもって相場観を育てる

インジケーターを使う際、設定されている数値(期間や偏差など)を毎回変える人がいますが、これは初心者ほど避けた方が良い習慣です。設定を頻繁に変えてしまうと、同じ形のチャートでも毎回違って見えてしまい、「自分の判断が正しいのか」が分からなくなってしまいます。

むしろ大切なのは、一度設定した数値を変えずに、同じ基準で相場を見続けることです。これにより、「この形になったときは上昇しやすい」「この動きはダマシだった」といった自分なりの感覚が養われていきます。最初はMT5のデフォルト設定のままで十分です。慣れてきたら、自分のトレードスタイルに合わせて微調整していけばOKです。一貫した視点が身につけば、相場の変化にも柔軟に対応できるようになります。

MT5トレンド系インジケーターとおすすめの組み合わせ

MT5トレンド系インジケーターとおすすめの組み合わせに関する見出し画像
MT5に搭載されているトレンド系インジケーターと、オシレーター系などとのおすすめ組み合わせを紹介する記事の見出し画像です。

トレンド系インジケーターは単体でも有効ですが、他のインジケーターと組み合わせることで、より精度の高いエントリー・エグジット判断が可能になります。特にトレンド系とオシレーター系を組み合わせることで「方向」と「タイミング」の両方をカバーでき、無駄なエントリーを減らす効果が期待できます。ここではMT5で使えるおすすめの組み合わせを3つ紹介します。


移動平均線(MA)+ストキャスティクス

移動平均線(MA)はトレンドの方向性を見る定番インジケーターで、ストキャスティクスは相場の「買われすぎ・売られすぎ」を判断するオシレーター系です。
この2つを組み合わせることで、たとえば「上昇トレンド中で、ストキャスが売られすぎ→買いシグナル」というように、トレンドに逆らわず押し目買い・戻り売りを狙う戦略が可能になります。初心者にも扱いやすく、反応も早いため、短期〜中期トレードに向いています。MAは20〜50期間、ストキャスは14,3,3などの設定で使うのが一般的です。


一目均衡表+ADX

一目均衡表は、相場の方向性や勢い、タイミングまで視覚的に判断できる日本発の優れたインジケーターです。そこにトレンドの強さを数値で示すADXを組み合わせることで、トレンドの「見た目」と「数値」の両面から判断できるようになります。
たとえば、価格が雲の上にあり、転換線が基準線を上抜けている状態に加え、ADXが25以上で上昇していれば「強い上昇トレンド」と判断しやすくなります。だましが減り、トレンドに乗る根拠が増えるため、スイング〜中長期の順張りトレードにおすすめの構成です。


ボリンジャーバンド+パラボリックSAR

ボリンジャーバンドは価格の変動幅を可視化するインジケーターで、パラボリックSARはトレンドの継続・転換をドットで示すタイプのツールです。
この2つを組み合わせることで、トレンド発生時の初動を捉えつつ、どこまで伸びるか(±2σ付近まで)を目安に利確判断ができるようになります。たとえば、価格がバンドをブレイクした後にSARが転換していなければ、そのトレンドは継続している可能性が高く、エントリー継続の根拠になります。特に短期のブレイクアウト戦略と相性が良く、視覚的にも非常に分かりやすい組み合わせです。

MT5トレンド系インジケーターを使う際の注意点

MT5トレンド系インジケーターの使用時に注意すべきポイントをまとめた見出し画像
MT5のトレンド系インジケーターを使う際に押さえておくべき注意点を紹介する記事の見出し画像です。

トレンド系インジケーターは非常に有効なツールですが、使い方を誤ると逆に損失を招く原因になります。ここでは初心者が特に注意すべきポイントを5つ、具体的に解説します。


ダマし(フェイクシグナル)への注意

トレンド系インジケーターは「トレンドの発生」や「転換点」を示すことがありますが、それが必ずしも正しいとは限りません。インジケーターが示した方向と実際の値動きが食い違うことを「ダマし(フェイクシグナル)」と呼びます。たとえば、移動平均線のゴールデンクロスが出た直後に急落するケースなどが代表例です。

これを防ぐためには、インジケーターのシグナルだけに頼らず、ローソク足の形状や直近の高安値の位置、サポートラインなど複数の視点で確認することが重要です。1つのサインに飛びつかず、相場全体の流れを見て判断する習慣をつけましょう。


トレンドのない相場では機能しにくい点

トレンド系インジケーターは、その名の通り「トレンド」が発生している相場でこそ力を発揮します。逆に、価格が一定のレンジ内で上下している「もみ合い相場(ノートレンド)」では、誤ったシグナルを出すことが多くなります。たとえば、移動平均線が横ばいでクロスを繰り返したり、ボリンジャーバンドが収束して方向感を失ったりします。

こうした場面では、トレンド系ではなくRSIやストキャスティクスなどのオシレーター系を使う方が適していることもあります。自分が今どんな相場にいるのかを意識し、それに合わせたインジケーターを選ぶことが大切です。


複数重ねすぎると混乱する可能性あり

「たくさんのインジケーターを表示すれば、もっと正確に判断できる」と思いがちですが、実際はその逆で、かえって判断が難しくなるケースが多いです。特にトレンド系インジケーターを複数重ねると、似たようなラインがいくつも表示され、どれを信じればいいのか分からなくなることがあります。

また、インジケーター同士で矛盾するサインが出ることも珍しくありません。大切なのは、自分が理解しやすい指標を1〜2個に絞り、それを使いこなすことです。シンプルな構成でトレードの精度を上げていく方が、最終的には勝ちやすくなります。


インジケーターは補助であり、ローソク足の確認も重要

どんなに優れたインジケーターも「未来の動き」を100%予測できるわけではありません。インジケーターはあくまで“相場を補助的に読み解くためのツール”であり、主役ではないのです。そのため、インジケーターのサインに頼りすぎず、常にローソク足の形状やプライスアクションを確認するクセをつけることが大切です。

たとえば、長い下ヒゲや包み足、ピンバーなどのローソク足パターンは、インジケーター以上に強力なサインとなることもあります。チャートの動きを「インジケーター+ローソク足」で総合的に判断することで、だましの回避やエントリーの質を高めることができます。


バックテスト・デモでの検証を必ず行うこと

どんなインジケーターも、実際の相場で「自分の手法として通用するか」は使ってみないと分かりません。そこで欠かせないのが、バックテストやデモトレードでの検証です。過去のチャートでインジケーターのサインがどのように機能していたか、どの場面でダマしが多かったかなどを確認することで、実戦に入ったときの判断材料が増えます。

また、デモ口座を使えばリスクゼロで実際の値動きの中で練習できるため、トレードの再現性や感覚を養うには最適な環境です。いきなり本番で使うのではなく、必ず検証フェーズを設けてから取り入れることが成功への近道です。

MT5トレンド系インジケーターに関するよくある質問(FAQ)

スマホ版MT5でもトレンド系インジケーターは何がある?

スマホ版MT5でも主要なトレンド系インジケーターを使用できます。
iPhoneやAndroidのMT5アプリでは、以下のトレンド系インジケーターが標準搭載されています。

モバイル版トレンド系インジケーター一覧

Average Directional Movement Index

Bollinger Bands

Envelopes

Ichimoku Kinko Hyo(一目均衡表)

Moving Average(移動平均線)

Parabolic SAR

Standard Deviation

ZigZag(ジグザグ)

複数のトレンド系インジケーターを同時に挿入できる?

はい、同時に複数のインジケーターを表示することは可能です。
MT5では1つのチャートに対して複数のインジケーターを重ねて表示できます。たとえば、移動平均線とパラボリックSAR、一目均衡表を同時に使って複合的に分析することも可能です。ただし、あまりに多く重ねすぎると画面が見づらくなり、インジケーター同士のサインが矛盾して判断が鈍る原因になります。

まとめ|トレンド系インジケーターを理解すれば、相場の流れが読めるようになる

MT5に標準搭載されているトレンド系インジケーターは全部で13種類あり、それぞれに異なる特徴と用途があります。移動平均線や一目均衡表、ボリンジャーバンドといった定番ツールはもちろん、可変型や複雑な計算式を用いた高機能インジケーターまで揃っており、自分のトレードスタイルに合わせた選択が可能です。
大切なのは「自分が見やすい」「判断しやすい」と感じるインジケーターを絞って使うこと。そして、相場の方向性を把握するための“補助ツール”として活用し、ローソク足やサポートラインなどの他の要素と組み合わせて使うことです。
トレンド系インジケーターは、相場の流れに乗るトレード(=トレンドフォロー)をサポートしてくれる強力な味方です。ぜひ今回紹介したインジケーターを活用し、自分に合った分析スタイルを見つけていきましょう。

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