- 「MT4とMT5、どっちを使ったらいいか分からない…」
- 「MT5の方が新しいって聞くけど、何がどう違うの?」
- 「今から始めるならMT4とMT5のどっちが自分に合ってるの?」
FXの世界では、取引プラットフォームの選択がトレードの成果を大きく左右します。特に「MT4(MetaTrader 4)」と「MT5(MetaTrader 5)」は、多くのトレーダーが利用する定番ツールですが、どちらを使うべきか悩んでいる人は非常に多いのが現実です。
MT4は長年親しまれてきた安定の定番。一方で、MT5はより多機能で、進化した次世代のプラットフォームとして注目されています。しかし、どちらにも明確な違いがあり、あなたのトレードスタイルや目的によって最適な選択は変わってきます。
本記事では、「MT4とMT5の違い」を16項目にわたって徹底比較し、それぞれの強みや向いている人の特徴をわかりやすく解説していきます。
どちらを選ぶべきか迷っている方は、この記事を最後まで読むことで、自分にぴったりのプラットフォームを見極めるヒントがきっと見つかります。
MT4とMT5の違いを16項目で比較
早速MT4(MetaTrader 4)とMT5(MetaTrader 5)の違いを「全16項目」に分けて、初心者にもわかりやすく丁寧に比較していきます。
それぞれの項目について、「何が違うのか」「どんな人に向いているのか」が明確になるように構成します。
項目 | MT4 | MT5 | 分析 |
---|---|---|---|
開発年・リリース年 | 2005年 | 2010年 | MT5はMT4の進化版として開発 |
動作速度 | MT5に比べると遅め | 早くてストレスフリー | メモリの消費量はMT5の方が多い |
時間足の種類 | 9種類 | 21種類 | MT5の方が分析しやすい |
気配値ウィンドウ | 見にくさがある | 使いやすい | 列カスタム・情報量でMT5が優位 |
注文方式の多様性 | 4種類(基本のみ) | 6種類(Stop Limit含む) | 戦略の幅はMT5が広い |
標準インジケーター | 約50種類 | 約80種類 | MT5の方が種類豊富+カレンダー内蔵 |
カスタムインジケーター | 資産が多く豊富 | 資産は増加中 | MT4とMT5は互換性なし |
描画ツール | 基本的な機能は揃っている | 操作性が直感的で快適 | ライン分析に強いのはMT5 |
スマホアプリ | シンプルで軽量 | 板情報や通知機能あり | スマホトレーダーはMT5推奨 |
開発状況 | 開発終了(メンテのみ) | 継続開発中 | 将来的なサポートを考えるとMT5が安心 |
約定スピード | 単純でやや遅め | 高速&柔軟な処理対応 | スキャルピングはMT5が有利 |
板情報(DOM) | 非対応 | 標準搭載 | 短期トレードでは大きな差に |
自動売買(EA) | 種類が豊富で導入しやすい | 高度なEA設計が可能 | 目的により使い分けが必要 |
ストラテジーテスター | 単一通貨・シンプル | マルチ通貨・高精度・高速 | 本格的な検証ならMT5 |
対応資産の広さ | FX中心 | FX・株・CFD・仮想通貨にも対応 | マルチアセットはMT5が強い |
対応業者の数 | 対応業者が多い | 今後対応業者が増加傾向 | 将来性を考えるとMT5が有利 |
① 開発年・リリース年
MT4は2005年に、MT5は2010年にリリースされました。
MT4は長年にわたり多くのトレーダーに利用されてきた信頼のあるプラットフォームですが、2023年時点で公式の新規開発やアップデートは終了しています。一方、MT5は現在もMetaQuotes社により継続的なアップデートが行われており、最新のトレーディング環境に対応しています。
特に、今後の互換性や対応業者の増加を考えると、MT5は「将来性」という面でも優位性があります。今から始める人や、長期的に安定して利用したい人には、MT5の方が安心して使える選択肢といえるでしょう。
② 動作速度(処理能力の違い)
MT5は、64bitアーキテクチャとマルチスレッド対応によって、MT4に比べて処理速度が大幅に向上しています。これにより、複数のチャートを同時に表示したり、高速でバックテストを実行する際にも動作が重くなりにくく、快適にトレードが可能です。
一方のMT4は、32bit・シングルスレッド構造で設計されており、複雑なEAやインジケーターを同時に走らせると動作が遅くなることがあります。パソコンのスペックや環境によっては、動作が不安定になるケースも。
処理能力の面では明らかにMT5が優れており、特に高速な情報処理が求められるスキャルピングや複数通貨監視を行うトレーダーにとっては、大きなメリットとなります。
③ 時間足の種類
MT4では、標準で9種類の時間足が利用可能ですが、MT5ではその倍以上となる21種類の時間足があらかじめ搭載されています。これは、より細かい時間軸の分析や長期足との併用を重視するトレーダーにとって大きな利点です。
例えば、MT5では「2分足」「8時間足」「12時間足」といった中間的な時間足が標準で用意されており、カスタムインジケーターを導入しなくても柔軟な時間軸の分析が可能です。一方、MT4でこれらの時間足を利用するには、スクリプトや外部ツールを導入する必要があります。
スキャルピングからスイング、長期トレードまで一貫して同じプラットフォームで分析したい人には、初期状態で多彩な時間足を使えるMT5の方が断然有利です。
④ 気配値ウィンドウの機能差
気配値ウィンドウは、通貨ペアのBid(売値)・Ask(買値)を一覧で確認できるパネルで、取引前の価格判断や注目通貨の監視に役立つ重要な機能です。
▶ MT4の気配値表示ウィンドウ
MT4では「通貨ペアリスト」と「ティックチャート」が基本構成となっており、シンプルな価格表示とリアルタイムのティック変動を確認できます。余計な情報が少なく、見やすさ重視の構成です。ただし、拡張性や情報量には限りがあり、カスタマイズ性も乏しいのが実情です。
▶ MT5の気配値ウィンドウ
一方、MT5では表示可能な情報とタブの種類が格段に増えています。標準で以下のような4つのタブが用意されており、より多機能でプロ向けの仕様となっています。
- 銘柄:取扱商品全体をカテゴリ分けして確認可能(FX、株価指数、仮想通貨など)
- 詳細:各銘柄のスプレッド、高値安値、価格変動幅などを表示
- プライスボード:通貨ペアの価格がボード形式でリアルタイム表示される
- ティック:ティックごとの動きをチャートで視覚化
これらのタブを使うことで、取引判断に必要な情報を一元管理でき、板情報(DOM)やワンクリック注文にもスムーズに連携できます。
シンプルさを求めるならMT4、情報量とカスタマイズ性を重視するならMT5がおすすめです。特に、複数の通貨や銘柄を同時に監視・分析したい人にはMT5の方が断然便利でしょう。
⑤ 注文方式の多様性(新しい注文タイプ)
MT5は、MT4に比べて対応している注文方式がより多様で柔軟になっており、より戦略的な取引を可能にします。
MT4で利用できる注文方式は以下の4種類です:
- 成行注文(Market Order)
- 指値注文(Buy Limit / Sell Limit)
- 逆指値注文(Buy Stop / Sell Stop)
シンプルで使いやすい反面、複雑なトレード戦略を展開するにはやや物足りない仕様でした。
一方、MT5では上記に加えて、次のような拡張型の注文方式が利用可能です:
- Buy Stop Limit(指定価格以上で指値買い)
- Sell Stop Limit(指定価格以下で指値売り)
これにより、ある価格に到達した後、さらに有利な条件で注文を発動するといった高度な注文設計が可能になります。たとえば、急騰時に追随しつつも、押し目でエントリーしたいといった要望にも柔軟に対応できます。
MT4:基本的な4つの注文方式のみ対応(成行+2種の指値+2種の逆指値)
MT5:基本に加え、Stop Limit注文を含む計6種類に対応
高度なエントリー・決済条件を設計したいトレーダーは、MT5の方が圧倒的に有利
⑥ 標準インジケーターの数と質
MT4には50種類前後の標準インジケーターが搭載されていますが、MT5ではその数がさらに増え、80種類以上の標準インジケーターが用意されています。移動平均線やボリンジャーバンドといった基本的なテクニカル指標に加え、Williams Alligatorやマーケット深度(DOM)関連の指標など、MT5ならではの拡張機能も利用できます。
また、MT5には経済指標カレンダーが標準で搭載されており、重要指標の発表スケジュールをチャート内で確認できるのも大きな特徴です。これにより、テクニカル分析+ファンダメンタル要因の管理が同一画面で可能になります。
一方で、MT4も必要最低限のテクニカル分析は十分こなせるため、シンプルな裁量トレードを重視する人にとっては今でも十分有用なプラットフォームといえます。
MT5は標準インジケーターの数が多く、カレンダー機能も搭載
MT4は基本機能に特化していて軽量・シンプル
多機能な分析ツールを使いこなしたい中上級者にはMT5がおすすめ
⑦ カスタムインジケーターの互換性
MT4とMT5では、カスタムインジケーターの構造自体が異なっており、互換性がありません。MT4用のインジケーター(.mq4ファイル)は、MT5ではそのまま使用できず、MT5専用の.mq5形式に書き換える必要があります。
これは、両者で使用されているプログラミング言語(MQL4とMQL5)の仕様が異なるためです。MT5ではより高度で複雑な処理が可能になっていますが、その分、既存資産の再利用が難しいというデメリットもあります。
特に、MT4時代に豊富なインジケーターを使っていたユーザーにとっては、乗り換え時の資産移行が大きなハードルになることがあります。一方で、近年はMT5向けのカスタムインジケーターも増えてきており、メタクオーツ社の公式マーケットやフォーラムでも対応資産が充実しつつあります。
MT4とMT5はカスタムインジケーターの互換性なし(mq4とmq5)
MT4向けのインジが豊富だが、MT5対応も徐々に増加中
既存インジケーター資産が多い場合はMT4継続も一つの選択肢
⑧ 描画ツールの使い勝手
描画ツールとは、チャート上にトレンドラインや水平線、フィボナッチなどを描き込んで、視覚的に分析をサポートするツールです。MT4とMT5の両方に搭載されていますが、操作性や種類、調整のしやすさに違いがあります。
MT4では基本的な描画ツールは一通り揃っており、裁量トレードには十分対応できます。ただし、ツールの細かい設定変更(色や太さ、プロパティ保存など)には少し手間がかかる印象です。
一方、MT5では描画オブジェクトのショートカット操作やレイヤーの管理、マウス操作の反応性が向上しており、より直感的に描画・編集ができるようになっています。また、フィボナッチのカスタムレベル設定やオブジェクトのスナップ配置など、細かい作業が効率化されています。
MT4:必要最低限の描画ツールあり。操作性はややクラシック
MT5:描画の自由度と操作感が向上し、より直感的に使える
ライン分析やチャート設計を重視するトレーダーはMT5の方が快適
⑨ スマホアプリの対応機能
MT4とMT5の両方には、iPhone・Androidに対応したスマホアプリが提供されています。見た目や基本的な操作性は非常に似ており、チャート表示・注文・口座管理などの基本機能はどちらも問題なく使えます。
しかし、細かく見ていくとMT5のスマホアプリは機能面で一歩リードしています。
具体的には以下のような違いがあります:
- MT5では板情報(DOM)の閲覧が可能(MT4は非対応)
- 経済指標カレンダーの表示や通知機能が強化されている
- 複数ポジションを個別に管理できる「ポジションモード」対応(MT4は全決済型)
- 銘柄ごとの詳細情報(スプレッド・高値・安値など)が確認しやすい
一方、MT4のアプリは表示がシンプルで軽量なため、動作が速く、古い端末や通信環境が不安定な場合には使いやすいというメリットもあります。
MT5アプリは情報量・機能面で充実しており、より本格的なスマホトレードが可能
MT4アプリは軽量でシンプル。最低限の操作に特化
スマホ中心で取引する人にはMT5アプリが断然おすすめ
⑩ 開発状況と今後のアップデート
MT4は2005年にリリースされ、長年にわたり世界中のトレーダーに支持されてきた定番プラットフォームです。しかし、2021年以降、MetaQuotes社はMT4の新機能追加や大規模なアップデートを停止しており、開発は事実上終了しています。現在は、セキュリティパッチや最低限のメンテナンス対応のみが行われている状況です。
一方、MT5は2010年のリリース以降も積極的にアップデートが続けられており、UIの改善・動作速度の向上・新機能の追加などが定期的に行われています。特に、バックテストや板情報、注文方式の拡張など、実用性に直結する機能の改善が目立ちます。
今後を見据えた場合、MT4のサポート終了や対応業者の減少も予想されるため、これからFXを始める人・長くプラットフォームを使いたい人はMT5を選ぶ方が安心です。
MT4:2005年リリース、2021年以降アップデート終了
MT5:2010年のリリース以降も積極的にアップデート
これから始める人・長期的に使いたい人にはMT5がおすすめ対応業者の数と移行傾向
現在、多くの海外FX業者や国内ブローカーがMT4とMT5の両方に対応していますが、その数には違いがあります。長年の実績があるMT4は、依然として多くのブローカーに採用されており、対応業者数ではMT4が優勢です。
しかし近年では、MetaQuotes社がMT5への移行を積極的に進めていることや、MT4の新規ライセンス発行を終了したこともあり、新しく参入する業者や、システムを刷新するブローカーの多くがMT5を採用する傾向にあります。
さらに、MT5は株式・CFD・指数など幅広い金融商品に対応しているため、マルチアセットを提供する業者がMT5を選ぶケースが増加中です。
現時点ではMT4対応業者が多いが、今後はMT5中心にシフトする流れ
新規業者や資産の多いブローカーはMT5を優先的に採用中
今から口座開設するなら、将来性のあるMT5対応業者を選ぶのが賢明
⑪ 約定スピードと処理方式の違い
約定スピードは、トレーダーにとって非常に重要な要素です。特にスキャルピングやニューストレードなど瞬時の判断が求められる取引手法では、わずかな遅延が損益に直結します。
MT5は、64bit&マルチスレッド処理により注文処理が高速化されており、成行注文の処理やポジションの管理がよりスムーズです。さらに、部分約定やヘッジ/ネット決済の切り替えモードにも対応しており、柔軟な約定処理が可能です。
一方でMT4は、32bit&シングルスレッド構造により、複数のポジションやEAを同時に処理する際にやや重くなる傾向があります。また、部分約定や複雑な決済ロジックに対応しておらず、やや単純化された約定処理となっています。
MT5は約定処理が高速で、部分約定やポジションモードも柔軟に対応
MT4は動作がやや重くなりやすく、約定処理も比較的シンプル
高速性・正確性が求められる取引にはMT5が適している
⑫ 板情報(DOM)の対応
板情報(DOM:Depth of Market)は、各価格帯にどれだけの注文が集中しているかを視覚的に表示する機能で、プロトレーダーやスキャルパーにとって重要な判断材料です。注文の厚みや流動性を読み取ることで、エントリー・決済のタイミングを戦略的に判断することができます。
MT5では、この板情報機能が標準搭載されており、リアルタイムでの価格帯ごとの注文状況を確認可能です。成行・指値の攻防がどの価格で起きているのかを視覚的に把握でき、特に短期売買では大きな武器になります。
一方、MT4には板情報表示の機能は搭載されていません。外部ツールや一部のブローカーが提供するカスタムDOMツールを使えば類似の表示は可能ですが、標準機能としては非対応のため、手間や制限が大きくなります。
MT5は板情報(DOM)に標準対応。価格帯ごとの流動性が可視化可能
MT4は板情報に非対応。使いたい場合は外部ツールが必要
スキャルピングや短期トレードを重視するならMT5の板情報機能が大きなアドバンテージ
⑬ 自動売買(EA)
自動売買(EA:エキスパートアドバイザー)は、トレードルールに従って自動で売買を実行するプログラムです。MT4とMT5の両方でEAが使えますが、その性能や設計思想には明確な違いがあります。
MT4は、軽量かつシンプルなEA運用が可能で、多くの個人トレーダーに長年利用されてきました。ネット上には膨大なMT4用EAが公開・販売されており、導入や検証がしやすい点が魅力です。
一方、MT5はより進化した環境を提供しており、
- 複数通貨ペアを同時に分析・自動売買できる
- マルチスレッド処理で重い処理も高速に実行できる
- バックテストがティックベースかつ精度が高い
といった特徴があります。開発言語(MQL5)もより高機能で、裁量の一部を組み込んだ高度なEA設計が可能です。
なお、MT4のEA(.mq4/.ex4)はMT5では使えず、互換性がありません。そのため、MT5でEAを使う場合は専用の形式(.mq5/.ex5)で新しく作るか、対応版を入手する必要があります。
MT4はシンプルで軽量、EAの選択肢が多く初心者に向いている
MT5は処理性能が高く、プロ向けの高機能EA設計に最適
目的に応じて、安定運用重視ならMT4、自由度重視ならMT5が向いている
⑭ ストラテジーテスターの性能比較
ストラテジーテスターとは、EA(自動売買プログラム)を過去の相場データに当てはめて動作を検証する機能です。MT4とMT5の両方に搭載されていますが、その性能と機能には大きな違いがあります。
MT4のストラテジーテスターは、単一通貨・単一時間足のバックテストに対応しており、動作も比較的軽量です。基本的な検証には十分対応できますが、複数通貨をまたいだ戦略の検証や高精度なシミュレーションには限界があります。
一方で、MT5のストラテジーテスターは非常に高機能です。
- マルチ通貨ペア対応
- ティック単位での高精度バックテスト
- マルチスレッド+クラウドネットワークによる高速処理
- 最適化・ビジュアルテスト・エージェント分散処理にも対応
これにより、複雑なロジックや大規模なデータ処理を伴うEAでも、短時間かつ正確にパフォーマンスを検証できる環境が整っています。
MT4は基本的なバックテスト機能に限定。軽量で扱いやすいが制約も多い
MT5は複数通貨・高精度・高速最適化など、プロ向けのテスター機能が充実
EAを本格的に運用・検証したいなら、MT5の方が断然有利
⑮ 対応資産の広さ(FX以外の資産も取引可能?)
MT4は、もともとFX専用プラットフォームとして開発された背景があり、基本的には通貨ペア(FX)の取引に特化しています。一部の業者では株価指数や商品CFDにも対応していますが、制限が多く、マルチアセット運用には向いていない設計です。
一方、MT5は初期設計から株式・CFD・指数・仮想通貨・先物など、幅広い金融商品に対応するマルチアセット対応プラットフォームとして開発されました。業者によっては、MT5上でFXと同じ感覚で世界の株式やETFを売買できるケースも増えています。
さらに、MT5では資産クラスごとに異なる証拠金ルールやセッション時間を適切に管理できるように設計されており、トレード環境の自由度が非常に高いのも特徴です。
MT4はFX中心。他資産には一部制限あり
MT5はFXに加えて株式・指数・仮想通貨なども一括管理できるマルチアセット対応
FX以外にも取引対象を広げたい人はMT5、FX中心だったらMT4でもあり
⑯ 対応業者の数と移行傾向
対応しているFX業者の数で見ると、現在もMT4の方が多いのが現状です。特に、長く運用されているブローカーや中小業者では、MT4のみ対応というケースも珍しくありません。これは、MT4が2005年から長期間使われてきた実績と、既存ユーザーの多さによるものです。
一方、MT5は徐々に対応業者が増えており、大手海外FXブローカーの多くがMT4とMT5の両方を提供する形をとっています。さらに、MetaQuotes社が新規のMT4ライセンス発行を停止したこともあり、新しく参入する業者や、最新の金融商品を取り扱う業者はMT5を標準とする傾向が強まっています。
また、MT5は株式・商品・仮想通貨などマルチアセットに対応しているため、FX以外の商品を提供する業者がMT5を採用するケースが多いです。
現時点ではMT4対応業者の方が多いが、将来的にはMT5にシフトする流れ
大手ブローカーや新規参入業者はMT5を標準プラットフォームに採用しつつある
今後の資産拡張やサービスの多様化を考えると、MT5対応業者を選ぶのが安心
MT4とMT5どっちを使うのがおすすめか解説
MT4とMT5は、それぞれに強みと適したユーザー層があります。どちらが“優れている”かではなく、自分のトレードスタイルや目的に合っているかどうかで選ぶことが重要です。
MT4を使った方が良い人
- MT4のシンプルな作りに慣れていて、昔から使っている人
- すでにMT4用のEAやカスタムインジケーターを活用している人
- 機能よりも軽快な動作や使いやすさを重視したい人
- MT4対応業者の中から選びたい人
MT4は、今でも多くの業者が対応しているスタンダードなプラットフォームです。長年使い慣れた操作感や豊富なツール資産が手放せないトレーダーにとって、依然として魅力的な選択肢です。
シンプルで直感的な操作が好みの方や、特にFXに特化して運用したい方には向いています。
MT5を使った方が良い人
- FX以外で株や仮想通貨のチャート分析・取引をしたい人
- MT4よりも多機能・高性能な環境で本格的にトレードをしたい人
- 高度なEAやティック精度のバックテストを活用したい人
- 今後もアップデートが続くプラットフォームを使いたい人
MT5は、FXにとどまらず株式・CFD・仮想通貨といった複数の資産クラスに対応できるマルチアセット対応プラットフォームです。板情報や注文方式の拡張、高速な動作環境など、プロ仕様のトレードを求める人には非常に相性が良いでしょう。
今後の拡張性や長期的な運用を考えるなら、MT5を選ぶメリットは非常に大きいです。
MT4とMT5の違いに関するよくある質問(FAQ)
MT4とMT5の違いについて調べていると、次のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
- 「MT4ってもう使えなくなるの?」
- 「初心者はどっちを選べばいいの?」
- 「MT5の方が勝ちやすいって本当?」
ここでは、よくある疑問をQ&A形式でわかりやすく解説していきます。
初心者の方はもちろん、すでにMT4を使っている方にも役立つ内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
MT4はもう完全に開発終了するの?
はい、MT4はMetaQuotes社による新規開発・機能追加がすでに終了しています。現在は最低限のセキュリティアップデートやバグ修正のみが行われており、新しい機能やUIの更新は今後行われない見込みです。
ただし、今すぐ使えなくなるというわけではなく、多くのFX業者では引き続きMT4の提供とサポートが継続されています。とはいえ、長期的に見るとMT5への移行が主流になっていく可能性が高いため、将来を見据えるならMT5を選ぶのが安心です。
初心者におすすめなのはどっち?
初心者には、基本機能がシンプルでわかりやすいMT4がおすすめです。無駄な機能が少なく、操作も直感的なため、まずFXの仕組みやチャート操作に慣れたい人に向いています。
一方、MT5は機能が豊富な分やや複雑で、最初は戸惑う場面もあるかもしれませんが、最初から高度な分析やマルチ資産取引を考えている人には最適な選択肢です。
どちらも無料で使えるため、最終的には実際に触ってみて、自分に合う方を選ぶのが確実です。
MT5の方が勝ちやすいの?
プラットフォーム自体の性能が勝率に直接影響するわけではありませんが、MT5は高速な約定・豊富な時間足・精度の高いバックテスト環境など、トレードの“質”を高める要素が揃っています。
特に、板情報(DOM)やマルチタイムフレーム分析、高機能なストラテジーテスターを使いこなせば、より精度の高い戦略が構築でき、結果的にパフォーマンス向上につながる可能性があります。
ただし、ツールの性能よりも重要なのは、トレーダー自身の知識・経験・ルールです。MT5は「勝ちやすいツール」ではなく、「勝つために使いこなすツール」と考えるのが正解です。
MT5対応のおすすめ業者は?
MT5に対応しているおすすめの海外FX業者には、以下のようなブローカーがあります。
MT5にも完全対応しており、約1,000種類以上のCFD銘柄が取引可能。FXはもちろん、株式・仮想通貨・商品などマルチアセット取引にも対応しています。サーバーの安定性も高く、日本語サポートも充実しているため、初心者〜中級者にとって非常に使いやすい業者です。
MT4・MT5の両方に対応しており、取引コストの低さと透明性の高さが魅力。cTraderにも対応しているため、より高機能な取引環境を求める中上級者にも支持されています。
MT5でもレバレッジ最大400倍、約定スピードも非常に優れており、スキャルピングやEA運用にも適した環境です。
まとめ|違いを理解して自分に合ったプラットフォームを選ぼう
MT4とMT5はどちらも優れた取引プラットフォームですが、それぞれに特徴があります。
MT4はシンプルで軽量な操作感が魅力で、今も多くのFX業者で利用されています。特に長年使い慣れたトレーダーや、EA運用に特化したい方にとっては、今でも十分な機能を備えています。
一方で、MT5は多機能・高性能な次世代型プラットフォームとして進化を続けており、FXに加えて株式や仮想通貨など幅広い資産クラスにも対応。より柔軟でスピーディな取引が可能になる点で、今後のスタンダードになっていくと考えられます。
実際、MT4の新規開発は終了しており、MT5へと移行する業者も年々増加中です。
私がこの「MT5ガイドブック」を運営している理由のひとつも、まさにこの流れにあります。これからMT5を使い始める方が迷わず活用できるように、現場目線で役立つ情報を発信してます。
どちらを使うかは、あなたの取引スタイルや目的によって異なります。
この記事で紹介した16項目の比較をもとに、「今の自分に合ったプラットフォーム」を選ぶことが、トレードで後悔しない第一歩になります。
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