MT5のタスクマネージャーとは?表示手順と動作が重い原因を探る活用法

MT5タスクマネージャーの表示方法と活用ガイド
  • 「MT5のタスクマネージャーって何のためにあるの?」
  • 「MT5がなんだか重い…」
  • 「どのEAやインジケーターが負荷をかけているの?」


そんな疑問を抱える方にぜひ知ってほしいのが、MT5に搭載されている『タスクマネージャー』機能です。

この機能を使えば、チャートやEA、インジケーターなどがどれくらいシステムリソースを消費しているかをリアルタイムで確認できます。
つまり、動作が重い原因を特定し、改善に役立てられる分析ツールというわけです。

この記事では、タスクマネージャーの表示手順から、原因の探り方・活用法までを初心者にもわかりやすく解説します。
MT5を快適に使うための第一歩として、ぜひ参考にしてください。

目次

MT5のタスクマネージャーとは?

MetaTrader 5のタスクマネージャー画面。各チャートやプロセスのリソース使用状況が数値で表示されている。
MT5のタスクマネージャー画面。EA、チャート、GUIなど各プロセスのリソース使用量が数値で確認できます。

MetaTrader 5(MT5)のタスクマネージャーとは、MT5内で動作している各プログラムの負荷やリソース使用状況を確認できる機能です。
例えば、どのエキスパートアドバイザー(EA)やインジケーターがどれくらいメモリやCPUを使っているのかを、リアルタイムで数値として確認できます。

Windowsにある「タスクマネージャー」と似ていますが、こちらはMT5専用のもので、チャート単位やプログラム単位で細かく状況を把握できるのが特徴です。

この機能を使うことで、
「最近MT5が重いけど、どこに原因があるんだろう?」
といったときに、原因のヒントを見つける手がかりになります。

特にEAを複数動かしている方や、複雑なインジケーターを使っている方にとっては、パフォーマンス管理に欠かせない便利なツールです。

MT5のタスクマネージャーの表示手順

MT5のタスクマネージャーは、簡単な操作で表示できます。ここでは、2つの表示方法を初心者にもわかりやすく解説します。

【方法①】ツールメニューから開く

MT5のツールメニューからタスクマネージャーを開く手順画面(F2キーでのショートカットも表示)
MT5の「ツール」メニューからタスクマネージャーを表示する手順。ショートカットキー(F2)でも開けます。

MT5画面上部のメニューバーから「ツール(T)」をクリック→メニュー内にある「タスクマネージャー」を選択。

この操作で、タスクマネージャーのウィンドウが新しく表示されます。

この方法は、マウス操作だけで完結できるため、ショートカットに慣れていない方にもおすすめです。

【方法②】ショートカットキーを使う(おすすめ)

もっと手早く開きたい場合は、キーボードの「F2キー」を使うと便利です。


MT5の画面がアクティブな状態でF2を押すと、すぐにタスクマネージャーが立ち上がります。
さらに、もう一度F2を押すと非表示にすることも可能です。確認と非表示を繰り返すときにはとても効率的です。

ショートカットが反応しない場合は、MT5以外のアプリが選択されていたり、F2キーに他の機能が割り当てられている可能性があります。そういった場合は、メニューからの表示方法を使いましょう。

タスクマネージャーで確認できる主な項目とその意味

MT5のタスクマネージャーは、縦軸に「プロセスの種類(名前)」、横軸に「リソース使用の各項目」が並ぶ構成になっています。

ここでは、それぞれの見方と意味を分けて解説します。

【縦軸】名前(プロセスの種類)

左側の「名前」列には、MT5内で動作している各プロセスの種類が表示されます。

名前の項目内容・意味
概要全体のリソース使用量の合計(平均的な値)。MT5全体の負荷を確認できる。
GUIチャート表示やウィンドウなど、MT5の画面操作に関わる負荷。
銘柄(例:AUDCHF1、USDJPYなど)通貨ペアや商品などのチャート単位での負荷状況。
ワーカーデータ受信・計算など、MT5内部での処理(バックグラウンド動作)。
スレッドプール複数のタスクを並列処理するためのMT5の制御機構。
システム外部DLLやシステムリソースとの連携に関するプロセス。

【横軸】リソース使用状況(各数値の列)

タスクマネージャーの右側には、各プロセスごとの負荷状況が数値で表示されます。
以下が正式な各列の名称とその意味です:

項目名単位内容・意味
CPU、%%プロセスごとのCPU使用率。数値が高いほど処理が重い。
サイクルCPUがそのプロセスのために使ったクロックサイクル数。使用量の目安。
コンテキストを切り替えCPUがタスクを切り替えた回数。多すぎると処理効率が低下することも。
スタック、kbKBメモリ内で一時的に使われる作業領域のサイズ。
カーネル時間、ミリ秒msOS(Windowsなど)によるシステム処理に使われた時間。
ユーザー時間、ミリ秒msMT5本体(ユーザー側の操作・EAなど)に使われた処理時間。
ID数字プロセスの識別番号。通常は確認用。トラブル時に参照されることがある。

MT5のタスクマネージャーを活用して動作が重い原因を特定する方法

MT5の動作が重く感じられるとき、「なんとなく」ではなく、数値で原因を探ることが重要です。
タスクマネージャーを活用すれば、各プロセスがどれくらいリソースを使っているかが一目でわかります。

ここでは、具体的なチェック方法と、パフォーマンス低下のよくある原因を順に解説していきます。


ステップ①:CPU使用率(CPU、%)が高い項目をチェック

まず注目すべきは、「CPU、%」の列です。これは各プロセスがどれだけCPUを使っているかを示す重要な指標で、動作が重い原因の“犯人”を探すための入口になります。

📌 列名「CPU、%」をクリックすると、高い順や低い順に並べ替えが可能です。
上位にあるプロセスが、最も負荷をかけている可能性が高いです。

特にチェックしたいのは以下のようなケース:

  • エキスパート/スクリプト」のCPUが高い → EAが重い処理をしている可能性
  • 銘柄」のCPUが高い → 特定のチャートが負荷をかけている

一時的に該当のEAを停止したり、チャートを閉じることで、パフォーマンスが改善されるか確認してみましょう。


ステップ②:「銘柄」ごとのリソース消費を確認

「AUDUSD」「USDJPY」など、通貨ペアの名前が並ぶ銘柄の項目では、チャートごとの負荷が表示されます。

ここでは特に次の2つの列に注目してください:

  • 「CPU、%」:チャートの処理全体のCPU使用率
  • 「カーネル時間、ミリ秒」:価格更新やデータ受信など、システム側の処理時間

📌 それぞれの列名をクリックすると、数値の高い順・低い順に並べ替えが可能です。
この並び替えを使えば、どの銘柄がMT5を重くしているかをすぐに見つけることができます。

  • 不要なチャートは閉じる
  • 時間足を軽めにする(例:1分足 → 15分足)
  • 複雑なインジケーターを外す

といった対策が効果的です。


ステップ③:GUI(画面描画)の負荷をチェック

「GUI」は、MT5の画面部分、つまりチャートの描画やウィンドウ表示の処理にかかっている負荷を示します。

ここで注目すべきは次の2つの列です:

  • 「CPU、%」:描画処理のCPU使用率
  • 「スタック、kb」:一時的なメモリ使用量。処理の複雑さや描画負荷が関係します。

📌 これらの列もクリックで並び替えできるので、GUIの負荷が他より高くなっていないかをチェックしましょう。

GUIが重くなる典型的な原因:

  • 複数のチャートにインジケーターを大量に表示
  • 矢印・ライン・テキストなどの描画オブジェクトが多い
  • 描画が頻繁に更新されるインジケーターを使っている

不要なオブジェクトは削除し、インジケーターを絞ることで改善が期待できます。


ステップ④:補足的な指標も活用する

コンテキストを切り替え」「ユーザー時間」「カーネル時間」などの項目も補助的なチェックに役立ちます。

  • 「コンテキストを切り替え」:処理の切り替え回数。極端に多いと、無駄な再描画などが起きている可能性
  • 「ユーザー時間」/「カーネル時間」:EA側の処理時間か、システム側の処理かを分けて判断できる

📌 これらの列も同様に、クリックで昇順/降順に並べ替え可能です。

極端に数値が高いプロセスがあれば、それが動作低下の原因である可能性があるため、対策を検討しましょう。


よくあるパフォーマンス低下の原因と対策

原因詳細対処法
EAの過剰稼働複数EAが同時に動作しCPUを圧迫使用EAを絞る・負荷の高いEAを一時停止
チャートを開きすぎ複数通貨ペアを同時に監視不要なチャートを閉じる
重いインジケーター処理量・描画回数が多い軽量インジケーターに変更
描画オブジェクトが多すぎる矢印・ライン・ラベル等Ctrl + Bで整理・削除
DLLや外部連携の負荷システムプロセスが高負荷必要ない機能を無効化する

タスクマネージャーの並び替え機能を活用するだけで、どこに負荷が集中しているかが“数字で”分かるようになります。
次は、こうして見つけた原因に対して、MT5の動作を軽くする具体的な対策を紹介していきましょう。

タスクマネージャーで見つけた原因に効くMT5軽量化の具体策

タスクマネージャーで「どのEAが重いのか」「どのチャートが負荷をかけているのか」といった原因がわかったら、次は具体的にどこをどう対処すればよいかがポイントです。

この章では、数値で特定した原因に応じて、MT5の動作を軽くする実践的な方法を紹介します。

MT5全体の動作が不安定なときや、スマホ版を含めた対策を知りたい方は、以下の記事もチェック。

1. EAやスクリプトによるCPU負荷が高い場合

タスクマネージャーの「CPU、%」でエキスパート(EA)やスクリプトの数値が高いときは、それが動作遅延の原因である可能性大です。

対策例:

  • 不要なEAを一時停止する
  • 重たいEAは時間を分けて稼働させる
  • 高負荷のあるEAは、別PCやVPSでの運用も視野に

2. チャート(銘柄)の負荷が高い場合

「銘柄(Symbols)」の項目でCPUやカーネル時間が高くなっているチャートがある場合は、チャートの数・表示内容が原因になっているケースが多いです。

対策例:

  • 不要な通貨ペアのチャートは閉じる
  • 重たい時間足(例:1分足)は必要に応じて5分足や15分足に切り替える
  • 表示中のチャートをテンプレートとして保存し、使う時だけ呼び出すようにする

3. GUIの負荷が高い場合(画面描画が重い)

GUIの項目で「CPU、%」や「スタック、kb」が高くなっているときは、チャート上の描画処理に負荷が集中しています。

対策例:

  • インジケーターの表示数を絞る
  • 不要な描画オブジェクト(ライン・テキスト・矢印など)を削除(Ctrl + Bで一括管理)
  • 再描画が多いインジは、他の軽量なものに入れ替えを検討

4. 処理の切り替え・時間消費が多すぎる場合

「コンテキストを切り替え」や「ユーザー時間」「カーネル時間」の数値が高すぎる場合は、頻繁な処理の切り替えや無駄なループが起きている可能性があります。

対策例:

  • 自作またはカスタムEA/インジケーターのコードを見直す
  • MT5のログファイル(Expertsタブ)でエラーや過剰な動作が出ていないか確認する
  • DLL連携や外部API通信などを使っている場合は設定を見直す

5. PCやMT5の環境自体が原因のケースもある

設定を見直しても動作が改善されない場合は、MT5の稼働環境(PC性能や同時起動アプリ)に問題がある可能性もあります。

対策例:

  • 長期運用や高頻度トレードには、VPSの導入もおすすめ
  • MT5の最新版にアップデートする
  • 不要なアプリを終了し、メモリを確保する
  • メモリ容量が不足している場合は増設を検討

MT5タスクマネージャーに関するよくあるQ&A

MT5のタスクマネージャーについて、初心者の方からよくある疑問をQ&A形式でまとめました。

Q1. タスクマネージャー上部にある「スレッド・ハンドル・mb」の数字は何?

A. タスクマネージャーの上部に表示されるこの情報は、**現在のMT5の動作状況の概要(サマリー)**を示しています。

表示項目意味
スレッドMT5が同時並行で実行している処理の数(EAやチャート、内部処理など)。多すぎると負荷が高まりやすい。
ハンドルファイルや通信、ウィンドウなど、MT5が保持している内部リソースの数。増えすぎると不安定になる場合も。
mb(メモリ使用量)現在MT5が使用しているメモリ容量。300~500MB程度なら通常範囲ですが、1GBを超えると動作が遅く感じられることもあります。

この数字は、MT5の“健康状態”をざっくり把握できる目安として活用できます。

それぞれの数値が大きいほど、MT5に負荷がかかっている可能性があると考えてOKです。
正確な分析までは不要なので、「数値が増えていれば負荷が高まっているかも」とざっくり覚えておけば問題ありません。

Q2. MT4でもタスクマネージャーは使えますか?

A. いいえ、MT4にはタスクマネージャー機能は搭載されていません。
MT5限定の機能です。MT4ではプロセスごとのリソース確認はできないため、チャート数の整理やWindowsタスクマネージャーの使用が代替手段となります。

Q3. スマホ版MT5でもタスクマネージャーは使えますか?

A. スマホ版MT5(iOS・Android)にはタスクマネージャー機能はありません。
動作が重いと感じたときは、以下のような対策が有効です。

  • アプリを一度終了して再起動
  • 不要な通貨ペア・チャートを非表示にする
  • MT5アプリの設定→ストレージからキャッシュクリアも効果的です

まとめ:タスクマネージャーを活用して、MT5を快適に使いこなそう

MT5が重くなったとき、多くの人は原因が分からずに悩みがちです。
そんなときこそ活用したいのが、MT5に標準搭載されている「タスクマネージャー」機能です。

このツールを使えば、どのEAやチャート、描画処理がリソースを消費しているのかを、**数値で“見える化”**できます。
さらに、各プロセスの「CPU使用率」や「メモリ消費量」などを確認することで、問題のある部分にピンポイントで対策を打つことが可能です。

単にチャートを閉じたりEAを止めるだけでなく、「何が重いのか」を把握した上で対処することで、効率的かつ安全に動作を改善できます。
MT5をより快適に、安定して運用していくために、タスクマネージャーを“日常的なチェックツール”として取り入れることをおすすめします。

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